海外拠点だより

2020年10月16日

第6号記事【台湾だより】を掲載します。

画像1-2 (高知県台湾オフィス 歐元韻氏)

 
 2019年に日本を訪れた台湾人はどれくらいであったか、皆さんはご存知でしょうか?・・・・正解は約491万人です。台湾の総人口が約2400万人ですから、5人に1人が日本を訪問していた計算になります。
 しかし今年の2月以降、新型コロナウイルス感染症の影響から人的往来が制限され、日本への訪問者数は激減しています。1年も前から航空券やホテルを手配され、今年のよさこい祭りを楽しみにしていた台湾のよさこいファンの何人もが泣く泣くチケットをキャンセルしています。「日本ロス」ひいては「高知ロス」となってしまった台湾の人達に少しでも元気になってもらおうと、私達は9月に開催された政府系のイベントに参加し高知県をPRしてまいりました。

 

 9月25~27日の3日間、高知県の商工労働部と産業連携に関する覚書を提携しているTJPO(台日産業連携推進オフィス)による「第2回 TJ Connect Fair」が開催されました。防災関連産業の分野において、高知県とTJPOは密に連携をとりながら販路開拓に取り組んでいます。

 

 

 今回は日本の13地方団体と共にブースを出展いたしました。高知県ブースのコンセプトは「Let’s YOSAKOI みんなで踊ろう!」でした。開催期間中、延べ約200組以上の来場者がブースに訪れました。よさこい祭りの衣装を身にまとい鳴子を両手に持ち、パネル写真をバックに笑顔一杯のポーズを決めて楽しんでいただきました。また、それら自慢の写真を自身のFacebookにアップして喜んでくださった方もたくさんいらっしゃいました。
 中でも一番感動した出来事は、フェア3日目に身体の不自由な方々の団体が高知県ブースを訪れた際に、よさこいを精一杯体感していただけたことです。車椅子の方が衣装を身に着け、鳴子を握ってポーズを決める姿に、まさしく「YOSAKOI」は人々に元気をもたらしてくれる象徴であると強く実感した3日間でした。今回ブースに来場いただいた皆さんが、高知のよさこい祭りを生で楽しんでもらえる日が早く訪れることを切に願います。

 


 

 日本への訪問者全体からみると、高知を訪れたことがある方の割合は少ないことは事実ですが、フェア期間中、来訪歴がある台湾人に多数遭遇しました。新婚旅行で高知を訪れサイクリングを楽しんだり、自然を求めて大型バイクで高知を一周したり、よさこい祭りを体験するため、地方創生を研究するため、ゴルフ三昧、四国八十八か所巡礼などなど、各自がテーマを持って高知の地に足を踏み入れていることを、ブース来訪者へのインタビューを通じ強く実感いたしました。
 台湾には「深度旅遊」という言葉があり、その意味は「テーマを持って旅行する」です。高知県は色々なテーマ(題材)を持っていますので、多くの台湾の人々に高知の魅力を是非とも知ってほしいと思います。

 

 今回のもう一つの目玉は「よさこい正調踊りの体験教室」でした。本来であれば、高知から踊りの先生を招いて教えていただくのがベストだと考えるのですが、思案の末、SNSの「高知よさこい台湾リレー」に参加してくださった台湾のよさこいファンの協力を仰ぐことで、無事開催することができました。
 台湾のよさこいファンとの出会いは、5年前の台湾ランタンフェスティバルにまで遡ります。2012年より毎年、高知から最強チームを台湾に派遣していただき、フェスティバルにて素晴らしい踊りを披露してくださいます。その会場にはいつも自主的に台湾のよさこいファンが集結し、各場面ごとに「拍手」や「声援」など中国語で書かれた手製の応援カードを掲げて、ストリートの見物客に呼び掛けてくれるのです。彼らは心から高知県のチームを応援してくれています。お陰様で定員を上回る参加者に集まっていただき、最後には主催者側のご厚意もあり、参加者全員が即興で会場内を踊りながら練り歩き、体験教室はたいへん盛り上がりました。

 

 

 今年の「高知よさこい台湾リレー」に参加した財神爺(台湾のお金持ちの神様)に扮した謎のよさこいファン「財神爺さん」がこの体験教室にも参加してくれました。台湾と日本の国旗を記した日台友好記念特製鳴子を両手に、オリジナルハッピを身にまとい、体験教室で熱心によさこい踊りを習っている姿に彼なりの高知愛を感じました。
 また、愛媛県のゆるキャラ「みきゃん」と「財神爺さん」の対面も実現しました。30万人のファンを持つ台湾の有名ブロガーが司会を務めた愛媛観光講座を、「財神爺さん」は許可をいただき会場の隅から静かに受講していましたが、マスコミにその姿を気付かれ、最後にはステージ上で「みきゃん」と一緒に記念写真にも応じていただいたのです。その写真は有名ブロガーのFacebookにしっかり掲載されたので、台湾の人達が多少なりとも高知へ関心を持つきっかけになるのではないかと考えています。

 

 

 いつの日か高知のゆるキャラ「くろしおくん」と「財神爺さん」の感激の対面が実現することを心から願って、今回の報告を終了させていただきます。

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