（高知県台湾オフィス　歐元韻氏）

 

 高知県の皆様こんにちは、大家好（Da Ge Hou = ダ～・ゲェ・ホォウ）。
 高知県台湾オフィスの歐元韻（Ou Yuan Yun）と申します。私の漢字名の始め二文字「歐元」は、中国語で欧州の通貨を意味することから、「ユーロ」というニックネームで呼ばれています。どうぞよろしくお願いします。

 

 高知県と台湾の繋がりと申しますと、ユズ・土佐酒などの食材や人的往来はもちろんのこと、台湾で関心が高まっている防災関連製品（備蓄用水、コンクリート落下防止セーフティーネットなど）や雑貨・木材分野などで、高知県の企業様が販路開拓に取り組まれております。また忘れてはいけないのが、高知県産品をとりまとめ、台湾の高級スーパーで物産フェアを開催するなど、台湾での外商活動を継続されている地域商社の皆様の奮闘です。限られた文面ではお伝え出来ないほど、高知県と台湾を繋ぐ経済交流の「橋」はまだまだ広く、前に進む可能性を秘めた魅力的な「橋」だと思います。
 今後は、台湾人の目線で見た台湾のホットな話題を、高知の皆様にお届けできるよう努めてまいります。台湾からの海外拠点だよりを、何卒よろしくお願いいたします。まず初回は、日本酒に関する２つのイベントについて紹介させていただきます。

 

■「Let’s NAKAMA 土佐酒文化ミニ講座」を開催
 去る９月２１日、会員数６,０００社を誇る台北市輸出入同業組合が、１１年連続で開催する「国際酒類展示会 Wine&Liquor Promotion」に初めて高知県ブースを出展しました。台湾、アメリカ、フランス、日本を含めた世界２０数か国と地域の酒類が展示され、政府関係者を含めた総勢１,０００名近くの酒類関係者とバイヤーが来場し、会場は１日中賑わっていました。

 

 

 高知県としては初めての参加にも関わらず、幸運にも土佐酒を紹介する場を設けていただき、同会場内にて「Let’s NAKAMA 土佐酒文化ミニ講座」を実施し、高知県の観光資源、食文化、酒蔵や宴会文化などを来場者に紹介しました。

 

 

 ワインに慣れ親しんだ人が多い台湾ですが、この機会に土佐酒を試してみようとする方々で、ブースは大変な賑わいとなりました。試飲していただいた土佐酒の中では、栗を使用した焼酎が非常に珍しがられ、とても好評でした。栗のほのかな香りとソフトな甘みが参加者を魅了したようです。
 来場者に対しては、台湾における土佐酒の購入先である代理商などをしっかりアピールしてきました。既に他県の日本酒を取り扱われている台湾の業者からも、状況次第では土佐酒の普及活動に協力できるかもしれないとのお声がけもいただきました。
 高知県を代表する日本酒として、土佐酒は台湾の業界で既に広く知れ渡っています。今まではいわゆる「ハレの場」にて供されることが多かったと思われる日本酒ですが、今後は気の合う仲間同士での飲み会など、よりカジュアルな飲み方やスタイルが若年層を中心に浸透していくと思います。ある代理商の話によりますと、コロナ禍にも関わらず土佐酒の売上は例年比４割アップの好成績とのことで、今後の輸出量の増加が期待されます。

 

■「愛上日本酒 みんなで飲もう！」
 中秋の名月（旧暦の８月１５日）前日の９月３０日、台湾版「土佐のおきゃく」とも言えるイベントが、台北市三大夜市の一つに数えられる「寧夏観光夜市」にて開催されました。イベント参加者は、主催者側から支給されたグラスホルダーを首からぶら下げ、台湾のＢ級グルメをつまみながら、立ち飲みや腰かけてといった様々なスタイルで、中秋の名月のもと楽しいおしゃべりにふけっていました。また翌日が休日ということもあり、たくさんの人達が夜市を楽しんでいました。個人的には、カジキのすり身を棒状にしてその場で揚げる台湾の天ぷらは、辛口の土佐酒との相性が抜群だと思いました。

 

 

 今回のイベントには、台湾で日本酒を取扱う主要業者２０社が各自で日本酒を持ち寄り、また、土佐酒を取扱う代理商の方々も「安芸虎」や「酔鯨」などを一生懸命アピールされていました。
 このイベントは台湾初の試みで、日本で言うところのお月見にかけて催された画期的なものでした。夜市という屋外の特殊なロケーションで、日本酒を片手に好みのＢ級グルメを味わえるというスタイルが、本場の「土佐のおきゃく」に重なる部分があると思い、なかなか粋な感じがしました。台湾の日本酒業界では、比較的年齢の若い人達も数多く活躍していることから、日本酒ファンの獲得に向けて、今後も様々な企画やイベントが開催されることと思います。

 

 以上、長文となりましたが、次回も高知県と台湾を繋ぐホットな話題をお届けいたします。一日も早く、台湾にて皆様とお目にかかれますよう楽しみにしております。