Ryoma dreamed Beyond the Pacific Ocean

2023年03月23日

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<高知県シンガポール事務所の改革>

 

●シンガポール事務所の運営体制の変更
 高知県シンガポール事務所副所長の西森です。貿易協会職員としては最終稿となりますが、来年度からの事務所の運営体制の変更についてご報告いたします。これまで、高知県シンガポール事務所は高知県から高知県貿易協会が運営を委託されてまいりましたが、来年度から貿易協会での業務委託は終了いたします。高知県は全国の地方自治体の協同組織である自治体国際化協会(CLAIR)のシンガポール事務所内に駐在員デスクを構えることになりました。同団体には全国各地の自治体職員が派遣されてきており、それらの職員と同じオフィスで業務に当たることになります。また、これまで民間企業出身者を配置していた所長職は廃止となり、県職員が現地駐在員として県内事業者様のサポートを引き継ぎ継続いたします。
 弊所の歴史は1996年にまで遡ります。現在、高知県と同じように自前でシンガポールに事務所を構えている自治体は1道2県(北海道、沖縄県、静岡県)ありますが、高知県はこの中でもシンガポールへの進出は最古参で、非常に早い段階から海外展開に目を向けていたことがうかがえます。
 一方で設立当初と比べて見違えるほどの経済大国となったシンガポールにおいて、家賃や人件費の高騰は著しく、オフィスを借り事務員を雇用して運営を続けることは日系企業や公的機関にとって財政的に厳しくなっていきているのが現状です。
 そんな中、近年ではコスト削減の観点から自前での事務所設立という形ではなく、既にシンガポールに拠点を持つ機関の中に駐在員を配置し、県の業務を行わせるのが自治体の海外支援拠点としての主流となりつつあります。現在シンガポールに県駐在員を派遣する自治体は10団体ありますが、上記で述べた4道件以外は全てこの形をとっております。派遣先としては先程述べたCLAIRに加え、JETRO、地方銀行の海外拠点、があります。
 コスト高騰による事業縮小といった後ろ向きな話に聞こえてしまうかもしれませんが、他自治体の職員と机を並べて仕事することで生まれる横の繋がりは非常に貴重と考えており、相互の情報交換や、自治体共同の事業発案など、自治体間ネットワークを使った相乗効果を生み出すことができると前向きに捉えております。

 

●来年度からの新たな取組
 また、来年度からはシンガポールの民間コンサルタントに事業委託をし、シンガポールに即した商品づくりや販路開拓の支援事業を実施します。シンガポール市場を熟知するコンサルタントと連携し、高知県の「良いモノ」を海外で売れる商材へ磨き上げるお手伝いをさせていただきたいと考えております。詳細については追ってご連絡させていただきますので、海外販路開拓を志向する事業者様は是非ともご参加いただければ幸いです。
 更に来年度からの変革として、タイとベトナムに新たに現地海外拠点を設置することとなりました。こちらはシンガポールとは異なり、現地の民間企業への委託という形でサポートデスクを設置します。ものづくり企業のニーズが高い両国において、今年度からはよりきめ細かいサポートを提供させていただくことが可能になります。
 上記のような組織体制の改変を通じて、来年度は海外進出を目指す県内事業者様に更に寄り添ったご支援をさせていただくことができるものと信じております。

 

●シンガポールでの2年間
 私事で恐縮ですが、今年3月でシンガポール事務所赴任後約2年が経過します。この2年間で現地のコロナを巡る状況は大きく変わり、今年2月にはコロナの終息が政府から宣言されました。2年前に赴任した際の、ホテルの部屋から一歩も外に出られないほぼ監禁状態のような2週間の隔離期間や、友人と会うのもままならない厳しい外出規制も今となっては懐かしく思い出されます。
 コロナ期間中にオンラインミーティングやオンライン商談等、人と対面で会わなくても仕事ができるようなツールがどんどん普及していきました。これにより、自宅からでも一人で仕事ができるのではないかという意見を多く耳にするようになりましたが、個人的にはこうした非対面ツールの普及により、むしろ実際に”人に会う”ことの重要性がより浮き彫りになったように感じています。
 要件を伝えるだけであればオンラインミーティングでも十分だと思います。ただ、例えば初対面の相手と話をする際に、相手の息遣いや表情を感じ取ったり、雑談を通じたコミュニケーションをしたりする点では、対面での面談に圧倒的に分があると感じています。雑談を通じて相手の人となりを知ることがビジネスの第一歩であり、逆に言えば相手の人柄がわからずに具体的な仕事の話をすることは難しいと考えています。実はシンガポール人にもこうした考えを持った方は多く、対面での交流やいわゆる「飲ミニュケーション」が予想以上に重視されている印象です。
 とは言え、移動時間をかけることなく人と話ができるオンラインミーティングは非常に便利なツールであり、今後はオンラインとオフラインをうまく使い分けながら仕事を進めていくことが、シンガポールでビジネスを成功させるための鍵になってくると考えています。
 前述のとおり、来年度からは組織体制が変更となり、シンガポールからは県職員一名で県内事業者の皆さまをご支援させていただくことになります。しかしながら、頼りになるシンガポールの民間コンサルタントやタイ・ベトナムのサポートデスクと連携しながら、従来よりも支援が手厚くなったと感じていただけるよう精一杯務めていきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

高知県シンガポール事務所 副所長 西森弘登

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